妊婦はサーモンを食べていいの?厚生労働省のデータから判断してみよう

日本人が大好きなサーモン。妊婦さんだって食べたいと思いますよね?
しかし、妊婦さんは赤ちゃんの影響を考えなければならないため、「サーモンは大丈夫?」と不安を持っている方も少なくないのです。厚生労働省が発表したデータをもとに、妊婦さんがサーモンをたべていいのか紹介します。
妊婦はサーモンを食べてはいけないといわれる理由は?
「妊婦さんはサーモンを食べないほうがいい」といわれる理由は、2つあります。1つは水銀のリスク、2つはリステアの問題があるためです。
水銀のリスク
サーモンをはじめ魚類には水銀が含まれている可能性があります。妊婦さんはお腹の赤ちゃんへの影響を考えて、水銀の摂取量を抑える必要があるでしょう。
しかし、魚類に水銀が含まれているといっても、妊娠中にまったく魚を食べないほうがいいわけではありません。厚生労働省は妊娠中に食べられる魚類の量を詳しく発表しているので、その数値を参考にサーモンを食べるようにしてください。
妊婦さんが水銀を含む魚類の量を制限する必要があるのは、お腹の中の赤ちゃんは水銀を外に出す働きが充分ではないためです。大人の場合はサーモンなど食事から取り込んだ水銀は排出されるので心配することはありません。
しかし、妊娠中は胎盤ができるまで、赤ちゃんに水銀の影響がおきやすいことから、1日に食べる量を制限するのがおすすめです。水銀のリスクが大きいのは食物連鎖で頂点に近い魚類で、大型魚は特に注意が必要です。
クジラやマグロは水銀の量が多くなりやすいのですが、サーモンは気にするほどではありません。厚生労働省のデータにもサーモンは妊娠中に注意が必要な魚介類に含まれていないので、適度な量を食べる程度なら問題はないでしょう。
詳しい情報を知りたい方は、下記のリンク先から厚生労働省の情報をチェックしてみてくださいね。
リンク:厚生労働省
生魚によるリステアのリスク
生の魚介類には「リステア」という細菌が含まれていることがあります。妊婦さんは普段の生活より免疫力が低下しやすいので、生魚を食べる場合注意が必要です。
妊婦さんが生の魚介類を食べると、リステリアが胎盤を通して赤ちゃんに伝わる可能性もあります。そのため、妊娠中は生のサーモンを食べるのは避けたほうがいいでしょう。
スモークサーモンも燻製しただけの方法なので、リステリアが残っている可能性があります。サーモンを食べるときは加熱したものを選んでくださいね。
リステリアでどのような影響がおきるのか気になる方は、食品安全委員会が公開している情報を確認しましょう。生のサーモンだけでなく、生野菜、ナチュラルチーズ、肉の加工食品でも注意が必要です。
リンク:食品安全委員会
厚生労働省による妊婦と刺身の発表について
厚生労働省ではサーモンをはじめ魚類の食べ方を詳しく発表しています。注意が必要なのは大型魚を毎日食べることで、サーモンや小魚類を食べることは注意されていません。
魚には赤ちゃんの成長にも必要なたんぱく質を含み、DHAやEPAの栄養も摂取できます。DHAやEPAは人の体内では生成できない成分なので、魚類から摂取しなければなりません。
また、DHAやEPAは赤ちゃんの脳の発達にも摂取したい栄養素です。現代人は魚の摂取量が減っているので、不安があるからといってサーモンを極端に制限するのはおすすめできません。
妊婦さんが注意したい魚介類は次のようなものです。
キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、メバチマグロ、ツチクジラ、エッチュウバイガイ。
キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカ。
お寿司1貫あたりの量は15g、刺身1人前80g、切り身80g程度で換算してください。マグロのお寿司を妊娠中に食べる場合は、1貫15gとすると5貫までが許容範囲です。
厚生労働省の発表では、エビ、サケ、タラは水銀量が少なく、妊婦さんが注意する必要がない魚類だということです。水銀の量が少ない魚介類の摂取も考慮したうえでの制限量として発表されているので、サケもバランスよく食べるようにしましょう。
出典:厚生労働省
妊婦が食べてよいサーモンの量とは?
サーモンは水銀の量が少ないことから、妊婦さんが制限する必要はありません。妊娠中に食べるべき量も決められていないため、バランスよく摂取するようにしましょう。
日本人は、ポルトガル・韓国・ノルウェーよりも多くの魚介類を摂取しています。水産庁の発表によると年間56.9kgの消費量で、1日当たりに換算すると焼き魚1切れ程度です。
昔はアジ、イカ、サバなど安い魚の消費量が上位を占めていましたが、近年はサケ、イカ、マグロの消費量が多くなっています。サケはチリやノルウェーサーモンの消費増も増加傾向にあるようです。
サーモンは切り身で売られていて調理が簡単なことと、子どもでも美味しく食べられるため好む方が増えているのでしょう。スーパーでもサーモンは安価に手に入りやすいので、妊娠中はDHAやEPAをはじめ、アスタキサンチンの摂取食品としてもおすすめです。
サーモンを焼き魚として食べる場合も、日本人の平均摂取量を大きく越えなければ、水銀のリスクは少ないといえます。体に取り込んだ水銀は約2ヶ月で排出されるので、妊娠に気が付いたときから大型魚の食べ過ぎに注意してくださいね。
妊娠中にサーモンを食べるときの注意点
妊娠中にサーモンを食べても大丈夫ですが、注意点があります。「塩分の摂取量」と「加熱したサーモン」の2点に注意してください。
塩分の摂取量に注意する
市販のサケの切り身には塩が振ってあるものが多いので、妊婦さんは塩分の過剰摂取に注意してください。厚生労働省の発表によると成人女性は1日7g未満の塩分摂取量にすべきと発表しています。
サケの切り身を1切れ食べると、1g相当の塩分を摂取したことになります。妊娠中は塩分の過剰摂取に注意したいので、サケの切り身を食べたときは、他のメニューで塩分摂取量を調節してください。
カリウムが多く野菜や果物を加えることでも、塩分の排出を助けます。「今日は塩分を摂りすぎたな・・・」と思ったら、リンゴやバナナなどの果物をおやつに取り入れてみましょう。
加熱したサーモンを食べる
生のサーモンやスモークサーモンはリステリアの影響を受けやすいので、妊婦さんは避けることをおすすめします。妊婦さんによっては「妊娠中にお寿司や刺身を絶対に食べない」と決めている方もいるようです。
リステアは加熱することで死滅するので、加熱したサーモンを食べるようにしてください。しかし、生のサーモンのリスクを知らずに、たまたまサーモンのお寿司やお刺身を食べた場合でも、現在何もおきていないなら問題はないでしょう。
気が付いたときから「生のサーモンを避けよう」という考え方に変えることをおすすめします。
おすすめのサーモンの選び方
市販のサーモンを購入する場合は、できるだけ体に良いものを選ぶようにしましょう。妊婦さんは「食べたものが赤ちゃんの栄養にもなる」認識を持って食材を選ぶようにしてください。
なるべく鮮度の良いものを選ぶ
サーモンのように生魚を購入する場合は、毎日新鮮なものを手に入れましょう。鮮度が良い状態で食べれば、食中毒のリスクを減らすことができます。
毎日スーパーに買い物に行くのが大変な妊婦さんは、新鮮なサーモンを購入したら冷凍保存がおすすめです。常温で解凍すると鮮度が落ちやすいので、冷蔵庫やチルド室でゆっくり解凍するようにしましょう。
スモークサーモンは日本製を選ぶ
スモークサーモンは海外産のものも売られています。日本の食品は安全性の基準が高くなっているため、スモークサーモンは日本製のものがおすすめです。
妊娠中に食べられるスシローのメニューを紹介
妊娠中でも「今日はお寿司が食べたい」というときもありますよね。生のサーモンは食べられませんが、加熱したネタが乗っているお寿司もあるので、おススメのメニューを紹介します。
スシローにあるメニューなら、ボイルしたえび、えびチーズ、えびバジルチーズ、えびアボカド、えび天にぎりなどのお寿司が食べられます。ほかにも蒸しほたて、うなぎ、煮あなご、かにカマ天にぎり、たまご、牛塩カルビ、若鳥グリルステーキ、黒門伊勢屋のわさびなすなどのメニューもおすすめです。
軍艦ならコーン、ツナサラダ、シーサラダ、なっとう、煮たまご軍艦、いなり、納豆巻き、エビフライアボカドロールも食べられます。スシローはラーメンやうどんなどの麺類や、フライ系の揚げ物も充実しています。
妊婦さんは生寿司が食べられませんが、スシローなら加熱されたメニューも豊富なので、「妊婦だから回転寿司に行けない・・・」と嘆く必要はありません。妊娠中に家族もお寿司を制限させてしまうと可愛そうなので、妊娠中に食べられるメニューを楽しんでみてはどうでしょうか。
まとめ:妊婦さんは生のサーモンを避けましょう
妊婦さんは生のサーモンは避けたほうがいいですが、加熱した焼き魚は食べても大丈夫です。サーモンにはDHAやEPAなど赤ちゃんの脳のためにとりたい栄養素も含まれているので、極端に制限するのは避けましょう。
お寿司も加熱したネタなら食べて大丈夫です。妊娠中に回転寿司に行くなら、普段食べることがないメニューを楽しんでみてくださいね。