妊婦は葉酸をおすすめできない4つの理由。市販のサプリでおすすめは?

「葉酸をおすすめできない」と言ったら驚くかもしれません。妊娠中に摂取してはいけないのは、合成葉酸のことです。
合成葉酸は「胎児の先天性リスク低減」が証明されている一方で、1日の摂取量の上限も設定されていることをご存知でしょうか?とりすぎると副作用のリスクが指摘されているのです。
妊娠中に葉酸をおすすめできない4つの理由と、おすすめの市販サプリを紹介します。

目次
葉酸がおすすめできない4つの理由
葉酸サプリをおすすめできない4つの理由を紹介します。
おすすめできないのは合成葉酸を高用量で摂取することです。
1・高用量で赤ちゃんのリスクが高まる
妊娠中に高用量の葉酸サプリを服用すると、生まれてくる赤ちゃんのリスクが高まるとされる研究内容が発表されています。
オーストラリアの研究内容では、1998年~2005年に557人の赤ちゃんを調査しました。
妊娠後期に1,000µg以上の葉酸サプリを摂取すると、子どもが3歳になったときのリスクが高まったことわかったのです。
葉酸を積極的に摂取しなかった人と比べて、妊娠後期に葉酸サプリメントを摂取したグループは26%、妊娠前期から後期まで摂取したグループは32%リスクが高いことがわかりました。
一方で食品から葉酸の摂取量を100µg摂取したグループでは、3歳の時点で9%、5.5歳で17%の割合となり、食品では影響が少ないことがわかっているのです。
葉酸サプリの摂取と子どものリスクは関係がないという研究内容もあるため、結論には達していません。
しかし、一部でもリスクが高まるという報告がある以上、母親としては見逃すことはできないでしょう。
出典:https://www.ime.or.jp/zakki/zakki029.html
リスクが高まるのは合成葉酸の場合
勘違いしてはならないのが、生まれてくる子どものリスクが指摘されたのは「合成葉酸」の場合です。
食品から葉酸を摂取したグループは特に問題はないレベルで、食品由来の葉酸サプリを活用すれば、生まれてくる子どもにリスクが高まる心配をする必要はありません。
市販されている葉酸サプリの多くは合成葉酸を使っているため、子どものリスクを軽減したいと考えているなら、「天然原料の葉酸」を選ぶようにしてください。
天然原料の葉酸は食品と同じ扱いで、葉酸は水溶性ビタミンで体に蓄積しにくく、不要な分があれば体の外に排出されて影響が出ません。
2・高用量でビタミンB12欠乏症がわからなくなる
葉酸はビタミンB12と協力して赤血球を作る働きがあるビタミンです。
妊娠中に葉酸を1日1,000µg以上摂取すると、ビタミンB12が不足することでおこる問題を隠してしまい、正しい栄養摂取ができなくなってしまいます。
高用量の葉酸摂取の注意がされているのは合成葉酸で、天然葉酸の上限は設定されていません。
3・脂溶性ビタミンをとりすぎて胎児に影響がある
妊娠中に葉酸サプリを飲むなら、胎児の影響が指摘されているビタミンAの配合量に配慮していなければなりません。
ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種で、体に蓄積されやすい性質を持っています。
妊娠中は食事からもビタミンAを摂取するため、葉酸サプリにもビタミンAが含まれていると過剰になり過ぎるリスクがあるでしょう。
ビタミンAは妊娠中にとりすぎると、赤ちゃんの先天異常がおこる可能性があります。
問題となるのはレチノールとしてビタミンAを摂取する場合で、食品からβカロテンとして取り入れると、余った分はビタミンAに変換されず安心です。
野菜由来の葉酸やビタミン類を配合している葉酸サプリなら、βカロテンとしての摂取で、レチノールの過剰になる心配はありません。
葉酸サプリは原材料が多ければ多いほど良いわけではなく、シンプルに葉酸だけが摂取できるものが安心です。
4・余計な添加物で赤ちゃんへの影響が考えられる
妊娠中は赤ちゃんの成長のことを考えると、余計な添加物が含まれていないことが重要です。
サプリに含まれている添加物は安全性が確認されたものばかりで、普段の生活なら気にするほどではありません。
しかし、細胞分裂を繰り返し重要な臓器を作っている赤ちゃんは別です。
無添加とうたっているサプリでも、よくよく調べてみたら添加物が含まれていることもあります。
サプリは錠剤を固めるためや、カプセルは流動性を高めるための成分が必要で、100%無添加のサプリは意外と少ないのです。
市販のおすすめ葉酸サプリを比較してみた
サプリ名 | 合成・天然 | 評価 |
ベルタ葉酸 | 酵母葉酸(合成) | 〇 |
葉酸+DHA/EPA | 合成葉酸 | △ |
メルミー葉酸 | 合成葉酸 | △ |
美的ヌーボプレミアムPlus | 天然葉酸 | 〇 |
AFC mitete葉酸サプリ | 合成葉酸 | △ |
LaraRepublic 葉酸サプリメント | 合成葉酸 | △ |
ママニック 葉酸サプリ | 合成葉酸 | △ |
はぐくみ葉酸 | 天然葉酸・合成葉酸 | 〇 |
エレビット葉酸サプリ | 合成葉酸 | △ |
hanauta 葉酸 | 酵母葉酸(合成) | 〇 |
天使の葉酸 | 合成葉酸 | △ |
さんさん 葉酸サプリ | 合成葉酸 | △ |
ママビューティ葉酸サプリ | 合成葉酸 | △ |
DHC葉酸 | 合成葉酸 | △ |
毎日葉酸+鉄 これ1粒 | 合成葉酸 | △ |
葉酸メニーミックス | 天然葉酸 | ◎ |
アロベビー葉酸サプリ | 合成葉酸 | △ |
ドクターチョイスオーガニック葉酸 | 天然葉酸(レモン) | ◎ |
ベジママ葉酸サプリ | 合成葉酸 | △ |
マイナチュレ葉酸サプリ | 酵母葉酸(合成) | 〇 |
オーガニックレーベルの葉酸 | 天然葉酸 | ◎ |
ゲンナイ プレミン | 合成葉酸 | △ |
ファンケル葉酸サプリ | 合成葉酸 | △ |
ママオメガ | 合成葉酸 | △ |
はじめての葉酸 | 合成葉酸 | △ |
BABY葉酸ママのめぐみ | 合成葉酸 | △ |
みんなの葉酸 | 合成葉酸 | △ |
ジュンビー葉酸サプリ | 合成葉酸 | △ |
パティ葉酸サプリ | 合成葉酸 | △ |
ネイチャーメイド | 合成葉酸 | △ |
葉酸の恵み | 酵母葉酸(合成) | △ |
アディエ | 天然葉酸(レモン) | ◎ |
レピールオーガニックス | 天然葉酸(レモン) | ◎ |
市販の葉酸サプリで安心して摂取できるのは、天然葉酸を使っているものです。
ベルタ酵素は酵母が天然原料ですが、酵母に合成葉酸を食べさせていいます。
美的ヌーボプレミアムplusは天然葉酸を使っていますが、販売価格が高いため続けにくくなっています。
はぐくみ葉酸はオーガニックレモンを使っていて天然葉酸ですが、合成葉酸も加えているため、100%安全とはいえません。
天然葉酸を使って続けやすい価格は、葉酸メニーミックス、ドクターチョイスオーガニック葉酸、アディエ、レピールオーガニックスの4種類です。
低価格で天然の葉酸を使っているものは、アディエやレピールオーガニックスがいいのではないでしょうか。
葉酸サプリはいつまで必要?
葉酸サプリの摂取量は妊娠期間中によっても変わってきます。
その時期に必要な摂取量が食事から補えないときだけ、サプリから摂取するようにしましょう。
妊娠前~妊娠初期
妊娠前から葉酸サプリを摂取するのは、妊娠がわかったときにはすでに胎児の重要な器官の形成が始まっているためです。
母体の葉酸濃度を十分に高めておくためにも、妊娠前から葉酸の摂取量を高める必要があります。
胎児の重要な器官が形成されるのは、妊娠4週~7週までの期間が重要です。
脳や脊髄の形成が始まる時期で、神経管を形成するために葉酸の摂取が必要になります。
神経管の形成が上手くいかないと、リスクが高まります。
葉酸は細胞分裂にも必要な栄養素で、妊娠初期から摂取することが重要です。
妊娠中期~妊娠後期
妊娠中期からは赤ちゃんのためというより、母体のフラフラを防ぐために葉酸が必要になります。
葉酸はビタミンB12と合わせて赤血球を形成するために必要で、葉酸が不足するとフラフラになりやすいため注意が必要です。
妊娠中期から赤ちゃんが大きくなり、赤ちゃんへの血流も増えるため、母体がフラフラになりやすい状態です。
葉酸やビタミンB12をバランスよく摂取することで、フラフラ対策になります。
まとめ:天然葉酸で食事と同じように摂取しよう
妊娠中は赤ちゃんの成長に必要な栄養が必要となりますが、できるだけ食事から栄養を補給すべきです。
合成葉酸は高用量で赤ちゃんへのリスクがありますし、体内に蓄積してしまう問題もあります。
やはり安心して摂取できるのは、天然葉酸を使ったサプリです。
基本は食事から葉酸の摂取量を高めながら、足りないときだけ天然葉酸サプリに頼りましょう。
